食べるシチュエーションでレシピも売り方も変える 東京・代々木公園「パス」後藤裕一

一度食べたら忘れない、「この人のお菓子をまた食べたい」と思わせるお菓子には、その人にしか描けない味の着地点と、おいしくなる原理原則が詰まっています。若手からベテランまで、6人のパティシエの人格のあるお菓子への道筋を解き明かします。最終回は東京・代々木公園「パス」のマドレーヌ。

酸味が肝「ゴマサバのオリーブオイル煮 ビネガーとオレガノ風味」 ブルーフード・レシピ

海に囲まれ、豊かな漁場を有する日本には魚食文化が根付いています。魚を食べるなかで培われ、受け継がれてきた知恵や知識を継承し、上手に食べることは、多様性豊かな海の保全につながります。日本周辺でとれる水産物(ブルーフード*)の魅力を再発見するレシピを人気店のシェフに教わります。今回はシチリアの風を感じるゴマサバのオリーブオイル煮を紹介します。 *ブルーフードとは、淡水・海洋環境に由来する植物、動物、藻類など水生生物性食品のこと。食料危機や気候変動などの課題に対応し、健康的で持続可能な食料システム構築への貢献が期待されている。**日本の漁獲量ランキング(農林水産省:令和3年漁業・養殖業生産統計)1位マイワシ(21.1%)、2位サバ類(13.7%)、3位ホタテガイ(殻付き)(11.0%)、4位カツオ(7.6%)、5位スケトウダラ(5.4%)、6位カタクチイワシ(3.7%)、7位ブリ類(2.9%)、8位マアジ(2.8%)、9位マダラ(1.8%)、10位サケ類(1.8%)。

たっぷりのオリーブオイルとマッシュポテトで作る 伸びやかな「ブリオッシュ」 ヴィーガンパン・レシピ04 ベルリン「フレア・ベーカリー」

ヴィーガンパン専門店の登場とともに、植物性の食材のみで作るパンのレシピが注目されています。動物性の旨味や油脂によるマスキングがなく、素材の味がダイレクトに伝わるというメリットを生かし、パン好きも満足するヴィーガンパンを焼く、職人たちの知恵と工夫に迫ります。今回はヴィーガン先進国、ドイツから。

五味の調和で酒がすすむ「ホタルイカとトレビス、金柑のソテー」 レスキューレシピ【新顔野菜編】

日本の食品ロス量は年間570万トン*と言われています。生産者が丹精込めて作った食材を無駄にしないための活用レシピをシェフに教わります。今月のテーマは、産直便やマルシェで見かけることが増えている【新顔野菜】。買ってみたものの使い方に悩む、レシピのバリエーションが少ないために買うのをためらってしまう。そんな目新しい食材の攻略法と、上手に使い切るレシピを紹介します。今回は、トレビス。*農林水産省「日本の食品ロスの状況(令和元年度)」

知る人ぞ知る?ニューメキシコ州で栽培される希少なトウガラシ「チマヨ・チリ」 America[New Mexico]

米国内外にカルトファンを持つと言われる「チマヨ・チリ(Chimayó chile)」。“人々を癒す聖なる土”の言い伝えで有名なカトリック教会(国定歴史建造物)や、ユニークな柄の織物で知られるニューメキシコ州北部の小さな村、チマヨが原産のトウガラシだ。17世紀(諸説あり)に中南米経由で入植したスペイン系移民によって持ち込まれ、北米先住民族と共に栽培されていくうちに、チマヨの風土に合わせてユニークな特徴が形成された在来種なのだ。 かすかな甘味を帯びた奥行きのある香り、スモーキーなのに渋味がない風味と、体に沁み渡るじんわり温かな辛さが独特。代々チマヨに住む家族によって主に自給自足用に栽培されてきたが、生産者の高齢化が問題に。そこで20年ほど前、種の保存を目指した次世代農家育成プロジェクトが立ち上がったが維持は叶わず、現在、地元や近隣のサンタフェで販売できる量を生産している農家は数名のみとなった。

“ゼロ・ウェイスト”を追求したら、ヴィーガンベーカリーに辿り着いた。ベルリン「フレア・べーカリー」

10年ほど前から“草食化”が進むドイツ。背景にはベジタリアン志向の高まりや、留学生や移民の増加、ムスリム人口が増えていることがあります。ゴミを出さないゼロ・ウェイストレストラン「FREA(フレア)」とベ―カリー「FREA Bakery(フレア・べーカリー)」はオール・ヴィーガンです。「“ゼロ・ウェイスト”を追求したら、自然とヴィーガンにたどり着いた」とオーナー。植物性原料なら保管の冷蔵、包装コストも抑えられ、再利用の幅も増える、コンポストでもよい堆肥ができるというわけです。

グラスを掲げ、存分に楽しみ、困難にある人を支援する Vol.72 パオロ・マッソブリオが仲間と育て上げたチャリティ活動

列車というものに、僕は昔から魅力を感じていた。飛行機と違い、出発点と到着点の間に走るレールに沿って移動するところが好きだ。コースは変えられない。だが、それが理由で驚きが減ることはない。列車なら風景が楽しめるし、車中では出会いや予期せぬハプニングだって起こり得る。人生において、時には車窓を流れる景色を眺めるように過ごすのも良いという。だが、充実した人生を送るには、途中下車も必要だ。ジャーナリストとして、食の評論家としての僕の人生が滑り出すきっかけの一つも、そんな列車に関係していた。あれは偶然ではなかったと今では思っている。

フランス、イタリアだけじゃない。スウェーデンが誇る原産地呼称製品 Sweden[Stockholm]

ヨーロッパには原産地呼称保護(PDO)と地理的表示保護(PGI)が飲料・食料合わせて約3500銘柄ある(スウェーデン農業委員会調べ)。フランスのシャンパーニュやイタリアのパルマハムは言わずと知れたPDOの例だ。 スウェーデンにはPDOとPGIが合わせて21製品あり、世界的にも知られているのは「アブソリュート・ウォッカ(Absolut Vodka)」でも知られるスウェーデンウォッカ(PGI)だろう。南部スコーネ地方の焼き菓子「スコンスク・スペットカーカ(Skånsk Spettkaka)」や、中部に位置する町グレンナ(Gränna)の赤白の縞模様のねじりキャンディ「エクタ・グレンナ・ポルカグリーサル(Äkta Gränna Polkagrisar)」もスウェーデンを代表するPGI製品だ。

美食家たちも注目!ミシュラン三ツ星店の“マッシュルーム・キャビネット” England [London]

2024年2月下旬、イングランド北部のマンチェスターで『ミシュランガイド2024』グレートブリテン&アイルランド版の発表セレモニーが開催された。ヘストン・ブルメンタールの「ファットダック(The Fat Duck)」やロンドン・チェルシーにあるゴードン・ラムゼイの旗艦店など、英国最高峰のカリスマ店がミシュラン三ツ星を維持したのに加えて、英国を代表するオーストラリア人シェフ、ブレット・グレイアム氏の「ザ・レッドブリー(TheLedbury)」が悲願の三ツ星に昇格。これで英国の三ツ星は9店となり、グレイアム氏がステージに登壇すると、セレモニー会場は大歓声に包まれた。

【ようこそ発酵蔵へ】大豆の旨味を味わう醤油「たまり醤油」 三重・四日市「伊勢藏」

写真で巡る発酵の世界。丁寧に時間をかけて微生物と向き合い、日本の伝統食を次代へつなぐ蔵、生産者を訪ねます。愛知や三重など中部地方で作られる「たまり醤油」の製造元「伊勢藏」へ。1年半じっくり手間をかけることで生まれる濃厚な旨味は格別です。

ベストな瞬間を逃さないための、最短距離の仕事 東京・桜新町「パティスリー ビガロー」石井 亮

一度食べたら忘れない、「この人のお菓子をまた食べたい」と思わせるお菓子には、その人にしか描けない味の着地点と、おいしくなる原理原則が詰まっています。若手からベテランまで、6人のパティシエの人格のあるお菓子への道筋を解き明かします。第5回は東京・桜新町「パティスリー ビガロー」のタルト・オルディネール。

苦味×旨味で酒が進む「紅芯大根のパクチーチーズ味噌和え」 レスキューレシピ【新顔野菜編】

日本の食品ロス量は年間570万トン*と言われています。生産者が丹精込めて作った食材を無駄にしないための活用レシピをシェフに教わります。今月のテーマは、産直便やマルシェで見かけることが増えている【新顔野菜】。買ってみたものの使い方に悩む、レシピのバリエーションが少ないために買うのをためらってしまう。そんな目新しい食材の攻略法と、上手に使い切るレシピをご紹介します。*農林水産省「日本の食品ロスの状況(令和元年度)」